ドイツ通信46「電球が消える!」


2010021314

変な形

変な形

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電球が消える

 

 「じゃあ今後はどうすればいいの?」

 

これが私の正直な感想です。そう、店頭から電球が消え始めました。

 

 

 世の中で使用が開始されてから、こんなにも長い間ほぼ同一の形を保ち続けている商品ってあるでしょうか?伝統工芸や芸能に関わる物でもないし、常に発展を続けている(発展せざるを得ない、発展が望まれる)“電気”の分野であるのに。今まで電気代を気にする立場におらず、私のしている省エネとは、“こまめにコンセントを抜く”ことくらいで、電球のエネルギー消費量について、耳に入ってはいたけれど、まともに考えたことなどありませんでした。なぜなら、物心ついた頃から身近に存在した“あの形”が敬遠され、排除される事実が受け止め難かったからです。だから、本当に“電球が無くなったら何を使えばいいの?”って思ってしまうのです。

 

 

 日本では、電力消費の多い白熱電球の生産・販売の中止が各メーカーに要請されているだけの段階ですが、ヨーロッパでは既に、計画が進んでいます。

 

2009年9月から100W/等級C以下の電球、それ以外のW数の場合は等級E以下の販売禁止。一年ごとに禁止されるモノが増え、2012年にはすべてのW数で等級C以下が市場から消えることになります。

 

 この等級は、光束(ルーメン)とW数の数値を縦横座標にとったグラフでA〜Gの七段階に等級分けされているものです。(等級Aが消費電力の少ない電球)

 

 さて、私がストックしている電球を見てみました。

 

1)100Wの電球。何Wが適当なのか確かめずに購入したため未使用。でも今となってはもう手に入らない代物。等級E

 

2)40Wの電球。等級E

 

3)形はちょっと違うけど、これも40W。等級E。

 

この電球が等級Eであるのには驚きました。結構スマートな形で寿命も結構長く(感じた)、知られたメーカー物で使い勝手が良かったのに、エネルギー節約の面からは劣等生なのですね。

 

4)最近購入したハロゲン電球。これでも等級C。つまり2012年にはこのハロゲン電球も使えなくなってしまうという訳ですか・・。

 

 

 さて、それに変わる商品として何が推奨されているのでしょう。日本と同じく、ご存知、電球形蛍光灯やLEDです。店頭にもエネルギー節約を唄った商品がやはり並んでいました。8Wで40Wの明るさ、12Wで65Wの明るさがあると表示されています。そして等級はA。これを実際に見て驚きました。同等の明るさなのに、こんなにもW数が違うものかと。そして電気代も相当変わってくるのではないかと。商品自体はやはり少し割高ではありますが、長い目で見ればちっぽけかもしれません。次に交換する時は電球形蛍光灯にしてみようかな・・と思いました。

 

 

 街でも実際に“白熱電球使用中止”の動きに伴う変化を見聞きします。以前(原稿の19)白熱電球は“その他”ゴミとして処理が可能であることを書きましたが、省エネ電球などは対象外であるため、市に15箇所あるリサイクルセンターで、それらの回収が始まっています。また、10月に行われたフライマルクトの乗り物(アトラクション)に使われている電飾についても、業者の中には、徐々にLEDに取り替えたところもあるようですが、その交換コストは高いけれども、節約できる電力もやはり大きいようです。

 

 

 日本では、大多数が発光ダイオードに取り代わった信号機。こちらではまだまだ全部電球です。使用中止に向けて方針を立てたのはいいけれど、外堀を埋めてから(個人の手の届かないところ、つまり公共機関などの電気から電球を取り除くなどして、市民に喚起を促してから)、一般電力消費者の対策をするのが筋じゃあないかと思うのですけれども・・。パチンコ屋や芸術のような電飾看板をあまり見かけない国なので、スムーズにいく(未知数だけれども)という予測のもとで計画が遂行されているのかもしれません。

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