古民家リフォーム2「明治大正昭和」


 

この蔵は明治か、中には、古い薬研があった。

この蔵は明治か、中には、古い薬研があった。

家も立派だが、敷地もとても広い

家も立派だが、敷地もとても広い

 

 

この家は、三代続いたお医者様の家、明治の部分、大正期の部分、昭和初期の部分、高度成長期の部分改造とに分かれています。

しばらく空き家となっていたので、内部は大分荒れています。とりあえず、住めるようにと、台所、風呂、トイレを水洗式に、替えて最小限のリニューアル工事です。

家というのは人を映す鏡というか、かずけたり、解体したりしていると、住んでいた人の思いや、つくったときの情景が自然と浮かんで来ます。これが古民家を触るときの醍醐味であり、それらをいったんリセットして新しい住まい手のためのステージをつくるのが、我々の仕事でありましょう。

まあ、雑誌に掲載されているような古民家再生や、古民家移築というのは、新築よりも予算をかけているので、大分様子が違いますが、低予算でどれくらい、本来の姿に戻せるかか勝負です。

今から思えば、昭和の高度成長期の改造は、日本建築には汚点であったかもしれません。折からの建材ブームで、ベニヤや合板で黒くなった柱や壁をことごとく包み、ビニールクロスを床、壁天井と張り付けました。一見綺麗になったかと思われますが、厚化粧しただけで、構造材の内部を、蒸らし、ゴキブリや、シロアリの温床としました。古くなったときには、みすぼらしいだけで、味というものがありません。

それらを一つひとつ剥がし、本来の姿に戻すことにしました。仕上げはあくまで、無垢の木と、漆喰です。

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