中古機械
以前から使っている超仕上げの機械の調子が良くないので、中古機械の修理販売している会社に相談に行った。この会社、岐阜県の岐南市にある「代東」という。このあたり一帯は、大型機械のメーカーが多く集まっている。大型木工機械メーカーは、プレカットの普及で、自社で刻む工務店が減ってしまったために、15年ほど前に、軒並み、廃業か、倒産してしまった。
私が使っているほとんどの大型木工機械は、新品はもうない。残念なのは、精度の良い木工機は、鋳物で出来ているため、景気が良くなってもすぐには復活できない。なぜなら、定盤の狂いを抜くため、造って何年も保管していなくてはならないからである。
以前、廃業した会社から設計図だけを買い取って、新しい会社が同じものを作ったことがあった。しかし、精度は悪かった。何十年も前の古い機械の方が性能がずっと良かったことがある。日本の物作りが崩壊したのは1990年代である。各メーカーの現場から熟練工がリストラされて一斉に消えたことがあった。良いものを造るのは、やはり人間の手でコンピューターやロボットではないだろう。見た目は同じでも、それは別のものである。設計図やマニュアルだけでは、同じものは造れない。
そんなわけで、まだ職人魂が残っている、街の修理屋さんは貴重だ。古い機械を極限まで、新品に再生することが出来る。新しい機械よりも、中古機械の方に人気があるのも頷ける。
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