ドイツ通信1「尖塔と空」
妻の友達のあやこさんが、ドイツのブレーメンという町で暮らしています。時々、向こうの建築や生活について情報を送って頂けることになりました。環境先進国のドイツ。噂にはよく聞くけれど、いったいどんな国なんでしょう。ガイドブックの記事じゃない、1人の日本人が見たリアルなドイツの姿がかいま見えれば幸いです。
建物と空
ブレーメンの空は円形に見えます。プラネタリウムの空みたい。でもずっとずっと高く上に延びた楕円形みたいな。なぜでしょう? 高層ビルが建っていないこと、これが大きな理由でしょう。日本の空は、重箱に蓋をするみたいに覆い被さっているイメージがあります。無機質なビルに対し、それに形を合わすかのような空です。
でもこちらの空は丸いです。それはきっと教会。教会の尖塔が、街で一番目につくものだから。これが空の高さを決めています。
教会って不思議です。その歴史や街への存在価値は未だ分かりかねますが、なぜ故にあれほど高いのでしょうか?教会によっては、そのタワーへ昇ることができますが、かといって階層になっており、その高さに応じて各階に部屋があって、何か別の用途に使われている・・ということもありません。基本的に古い教会の天井は高く、ステンドグラス・・がお決まり。つまり高さはあっても、それに応じたキャパシティはなく、いわば“飾り”です。
この教会がブレーメンの街を柔らかなものにしていることは確かです。そして、教会の尖塔を包むように、すーっと広がる空は、とてもふんわりと優しい。
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