ドイツ通信13モデルハウス見学


モデルハウス見学  現在分譲中の建設(予定)地で公開されているモデルハウスを見に行ってきました。ここに立てられるのは、2家族が住めるダブルハウスと幾つもの世帯が入居できるラインハウスの2つで、見学できるのはダブルハウスです。親族でない2世帯が入居することを目的に建設されているので、入口は正反対の方向にあります。玄関の扉を開けると(もちろん玄関間はありません)、風よけの空間が作られています。そこに隣接してゲスト用のトイレ。中に入ると、1階にはリビングとキッチン、そして洗濯機や物置となるようなスペース。2階は、寝室に子ども部屋などの用途に使える部屋が2室とトイレ、シャワー、バスタブのある洗面所。そして屋根裏に1室。  決して広いとは言えないように感じます。上に広いが横に狭い感覚です。幾つか思った点を書き上げます。(あくまで、この住宅会社が建てている家にのみ当てはまることであり、ドイツの一般・・ではないことに注意です!「ドイツにはごまんと住宅のタイプがあるから、何が典型的なタイプかなんて分からないよ」と言われました。) ・階段が螺旋状。このスタイルの方が場所をとらないのでしょうか? ・屋根の傾斜が大きい。屋根裏は分かりますが、2階の部屋の内部にまで屋根の傾斜が現れている。豪雪地帯ではないので、雪の重みで家が潰れないように・・などという配慮ではないはずです。 ・半地下のケラーがない。貯蔵庫などに当てられる地下の部屋を持つ建物を建てるのは、非常に割高なのだそうです。また、掘って水がでてくることもあるとか。だから今では、ケラーの無い住宅が増えています。確かに、ケラーはジメジメしているイメージがあり、物置には良いですが、寝食には適しません。 ・2階にバルコニーがない。日本人はどうしても、こういうタイプの住居の2階にバルコニーを求めます。そこに洗濯物を干したり、布団を干したり・・と。でもドイツ人にはあまりそういう感覚は無いようです。母親の一日の仕事に、「洗濯をする」は含まれないし、「週末良いお天気だったら洗濯をします」という発言には怪訝な顔をされるくらいですから。 ・お隣さんとの関係が重要。個人主義のヨーロッパ。でも住まいに関してはお隣さんとの関係はとても大切です。留守の間の郵便物や訪問者への対応などを隣人にお願いしたり、お互いの住居の安全を見守りあう関係にあります。ダブルハウスでは別家庭が1件。ラインハウスでは、少なくとも両隣が別家族になりますので、上手くお付き合いしていく必要があります。「向こう3軒両隣」ではありませんが、「隣に誰が住んでいるのかも分からない」ことも増えている日本に対し、ここではまだ「助け合い」が普通のようで、どんな隣人がいるのか、は家を決める上で重要なチェックポイントになっているようです。 ・光と風が重要。この分譲住居に関するウェブサイトを見てみましたが、アピールポイントが「採光」「換気」です。購入者にとっても窓の大きさや形は要チェックのようです。明るさと風通しのよさ(このように書くと、日本のように湿気を防ぐための“風通し”と思えそうですが、そうではなくて、如何に部屋の中に新鮮な空気を入れることができるか、ということ)はドイツ人には譲れないポイントだからです。短い夏の太陽は貴重ですし、健康維持のために新鮮な空気を吸うことはとても大切なのです。

 

 以上がモデルハウスを見ての感想ですが、個人的にはこの家には住みたくないなあ・・と思いました。細かい欠点まで挙げることになりますが、 ・玄関横の窓がトイレの窓である。(普通裏側か横にあるべき。もしくは窓を作らないべき!なのですが、裏側は別家族の住居になるため、仕方がないのでしょう)。 ・玄関部分が狭い。防風空間があるのはいいのですが、そこからリビングに入るときのドアが「押し」なのは危なくないのでしょうか?階段、キッチン、リビングの交差点にあたる部分に、玄関からのドアが「押し」て開けられるという状況です(ただ、引きドアにできない理由も頷けます(押して開ける玄関のドアと防風空間でぶつかることになるから)ので、仕方ないのでしょうか)。そして何よりも ・閉塞感がある。私の住んでいる家より閉塞感があります。何故だか考えてみました。理由は、一面的だから・・のような気がします。玄関を開けて、中に入る時の方向に対する空間の広がりが無い。つまり、部屋は玄関から内部へ向けての矢印とちょうど垂直に交わる方向に広がっているのです。  例えば、私の家は、ラインハウスみたいなものですので、窓があるのは、南北2方向のみです。南に玄関があり、私の部屋の窓は北向きです。つまり、入ってきた方向の先が見える作りです。日本家屋のウナギの寝床・・的なイメージです。横の広がりは無いけれど、進む方向に空間が広がっていることで、圧迫感や狭さを感じさせません。しかし、このダブルハウスは違うのです。入った途端に目の前を遮られる感じがします。窓は、お隣さんとの壁側以外の3方向にありますが、眼前に空間が広がらないので狭く感じてしまいます。人間の心理なのかも知れません。そして ・玄関に屋根も無ければ、勝手口も無い。バリアフリーに作られていないし、改築も困難を極めそうです。だから一生の住処には辛そうです。

 

 残念ながら、私にはあまり魅力の物件には見えませんでしたが、今後ここでは、このタイプの住宅が量産されていきます。これが今のドイツでの潮流なのでしょう。個人的には“なんともチャッチイ家”にしか見えません・・。新しいのは魅力ですが、これに住むくらいなら、少し傾いていようが、古くさろうが、梁が邪魔であろうが築***?年の実家の方がマシだと感じてしまいました・・。

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