ドイツ通信14「学食に挑戦」


 

学食カウンター モダンです

学食カウンター モダンです

学食テーブル 少し窮屈そう

学食テーブル 少し窮屈そう

この無機質な感じは何でしょう。

この無機質な感じは何でしょう。

 

 

 

 

 

 

学食に挑戦

 

 家の近くに、高等学校があります。(日本の大学とか短大とかにあたるものと同じと考えて良いはずです。年齢層18−30歳)その建物が改築され、学食が新たにオープンしたというので、覗いてきました。

 

「シックでモダンで機能的」というのが新聞の見出しでした。“シックでモダン”な学食の雰囲気を味わうべく出かけることに。

 

 しかし、まず不思議に思ったことがありました。食事の提供時間です。日本では朝昼晩3食のうち、晩ご飯が正餐であることが多く、動物性タンパク質であったり、温かい食べ物はたいてい夜に食べます。そして、家族みんなが集うことが好ましいとされます。しかしドイツの正餐は昼ご飯で、家族が集まるのがベストです。尤も日中には仕事のある方の方が多いし、子どもは学校やらに行っているので、その通りに行くわけがないのですが、とにかく、正餐なのです。時間も正午をとっくに過ぎた頃から始めてゆっくり・・というのが基本の考え方のようです。そして夜ご飯は、パンとチーズなど冷たい料理ですませます。

 

 しかしこの学食、営業時間はランチが月〜金の11時半から14時、14時以降16時まではカフェメニューになってしまいます。学食にゆっくりランチを〜〜を求めるのが間違っているのかもしれないし、日本の学食(母校のことを考えると)も同じくこれくらいの営業時間だったかもしれませんが、午前中の語学学校を終え、家に帰宅できるのが13時頃の私は、14時までのランチに飛び込むには結構ハードな時間繰りでした。

 

 さて、基本的に普通の学食です。パン類、サラダやデザート、飲み物は自分で盛り、温かい料理はおばちゃんに入れてもらい、レジで量り、支払い、食べ終わったあとは、返却口へ。まったく特筆すべきことの無い学食です。学生のプリペードカード支払いレジと、現金レジがあったり、学生・従業員・その他で料金設定が違ったりと、驚きに値することはなし。

 

敢えて、思ったことは。

 

1.主食がご飯じゃないんだなあ・・と。パン・パスタ系が主流。(当たり前か・・)

 

2.無料のお茶や水はなし。(ここではどこの飲食店でもそうなので当たり前)

 

3.主食メニューの数が少ないなあ・・とも。(日本食のバリエーションって豊富なのかも、と)

 

4.陶器の食器使用。(割れる心配はないのかな。プラスチックの方が割高??もしくは、油分が洗い流しやすいように?)

 

5.それからメニューアピールが控えめ。セットメニューで主食+サラダ+スープの組み合わせメニューが2品ほどありましたが、今日のメニュー(いわゆる日替わり)が何なのか分かりにくい・・。

 

 もしかしたら、この控えめ表示が“シックでモダン”たる所以なのかもしれません。白で統一されたテーブルと椅子。レンガの壁。アクリルやステンレス(かな?)が多用され、そこには、必要最低限の情報のみ書かれています。スーパーの大売り出しのように、ポップが飾られていたり、赤や黄色やらで目立つようにメニューに装飾が施されていたりすることがありません。無駄なものを一切排除した空間・・そういう印象です。

 

 この空間から受けるイメージは「寒」「冷」「無」「静」「白」・・・かもしれません。でも、ここは学食。学生が集い、温かい食事が振る舞われ、おしゃべり、議論をしながら食事を楽しむ空間です。その時間は「暖」「温」「動」「熱」・・に違いありません。これが空間の面白いところだなあ・・と思います。用途がアクティブだからこそ、受け入れ先である空間=箱、それ自体に冷静を保たせる。そうやって、人が快適に過ごせるように考えた設計がなされているんですね、きっと。もし、壁や設備が色とりどりだったり、広告やポスターや文字が溢れていたら、気が散って落ち着いて食事どころではないし、そこで各人が話し始めれば、カオス・・な状態になる(見える)かもしれません。色や素材が人間の心理に与える影響って結構大きいですからね。ましてやそこは学校です。この学食の“シックでモダン”さは、学生にとってプラスに働いているのだろう、と感じました。

 

 学生の様子ですが、グループでわいわい騒いでいる人もいれば、一人で軽く済ませる人もいるし、家族的な人もちらほら。先生のペアもいるし、パソコンと睨めっこの人もいる。特にドイツだから・・ということは皆無。グループでまとまって座りたいがためにチラシなどの紙で場所取りをしている席もあるし・・日本と同じです。

 

 私ですが、うどん、とか丼とか、カレーとか・・・あるわけ無いよな〜〜なんて思いながら物色し、結局サラダバー等々を戴きました。たいていの学生は、日替わりを食べていました。やはりポーションは欧州サイズ。私にはちょっと遠慮したくなる量でした。(いろいろ撮影したくてカメラを携えていきましたが、(日本人が目立ちすぎることはないけど)大勢の学生がいる中、怪しげに学食の様子を撮影する勇気はありませんでしたし、人の頼んでいるもの、食べている所を撮影する度胸もありませんでした。)

 

 

 ちなみに、学食とはいえ、やっぱり、家で食べているよりは割高です。通いたいものではありません。

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