ドイツ通信23「カーシェアリング」


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カーシェアリングを考える

 

 「mobil punkt」という目印。通学路に立っています。mobilは「モバイル」、punktは「点」という意味です。恥ずかしながら長い間、「携帯の充電をする機器のスタンド」だと思っていました。(中国には、各メーカー、各機種の充電プラグがぶら下がった街角充電スタンドが存在します。)

 

 ・・・本当のところは、カーシェアリングのスタンド。ここは共同使用する車の駐車場所なのです。私は、車にはほとんど興味がありませんが、ここが日本から遠く離れた、自動車産業の盛んな国だと実感するのは、(ドイツにとっての)「国産車」がほとんど、だということです。日本と同じです。ベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲン、オペルなどなど。外車であるトヨタや日産も見かけますがやはり少数派。大多数が、「国産車」愛用です。当たり前と言えば当たり前です。

 

 交通ルールは特に複雑ではありません。日本は英式の走行をするのに対し、こちらは逆の右側走行だということと、まだまだマニュアル車が主流だということが大きな違いでしょうか。

 

 アウトバーン(高速)も何度か走りましたが(同乗で)、やはり皆さん飛ばしています。そもそも制限速度が100キロなので、常に100キロ超え、猛スピードの域で走っています。指示器を使わない事も多く、車線変更は心の赴くまま。

 

 さて、車必須のドイツ社会ですが、やはりこういうカーシェアリング拠点を街で見かけるという事は、利用者も確実にいるという事でしょう。残念ながらまだユーザーにお目にかかったことはありません。ブレーメンで見かけるのは「cambio」という会社。ブレーメン内で35箇所に「mobil punkt」があります。ドイツ国内ではベルリン、ハンブルク、ケルンなど、国外ではベルギーのブリュッセルにもあり、計180。640の車両を抱え、21000人の顧客が利用しているとの事です。ドイツだけで人口8000万人ですから、この利用者の数は決して多いとは言えないような気がします。

 

 しかし仕組みは至って簡単。メンバー登録し、車を予約し、乗る、返却、以上です。マイカー所有の快適さと比べてさて、どうでしょうか。料金は、使用時間帯と走行距離数を合計して計算します。その他、1日パックや一週間パックなども用意されていますし、保険等は心配なしです。

 

 ただ、入会金や月会費がいること、乗り捨てできないこと(決められた場所に車を戻す必要がある)、予め使用時間を申告し、延長の場合は超過料が請求される事、車が足りない場合があることなどを考えると、やはり自家用のようにはいきません。キャンピングカーで出かけたり、エンジン搭載の車が、居住設備のある車両を牽引していたり、その種の車産業が盛ん(明らかに日本より利用者は多いでしょう。キャンピングカー等で寝泊まりするための場所なども用意されていますので。)なドイツ。思うに、車は“住まい”であり“台所”であり“寝床”であり、“移動手段”であり、きっと“人生の同士”に位置づける人も多いのではないでしょうか。少しくらい傷ついたりへこんだりしても、ポンコツでも愛着を持っていつまでも同じ車に乗り続ける・・、そんなイメージもあります(独断と偏見)。そんなドイツで、車を“単なる足”としか考えない人向けのサービス、「カーシェアリング」はどうも似合いません。

 

 現実的には、年間10000キロ以下走行であれば、自家用車を維持するよりもカーシェアリングを利用した方が安くつくようです。確かに、ガソリンは値上がり、税金も高い、そして駐車スペースの問題・・などマイカー維持は大変です。(ただ、ここには車庫証明という面倒なものは存在しない模様。家の前の通りは車でびっしり)。どうやらカーシェアリングの発祥はスイスのようですが、どうもドイツには似合わないような気がします。

 

 例えば、カーシェアリング会社の所有車がすべて環境に配慮したハイブリッドカーだったり、利用者には環境保護に貢献した証として補助金がでたり、二酸化炭素排出量削減分だけ現金還付があるとか、(もしくは、クラシックカーを所有してマニアにアピールとか。最新車、最新設備搭載車への切り替えがめちゃくちゃ早いとか)そういう“売り”(?)でも無い限り、個人的にも魅力は感じません。少し暗い高くついても「乗りたいときにいつでも乗れる」安心感にはかないません。

 

 

ちなみに、春には新車登録の数が跳ね上がり、担当局は申請者で溢れ最高4時間待ちの列ができるとか。政府の方針として、新車へ乗り換える人対象に補助金が出ているという話も聞きました。国内産業の活性化でしょうか。

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