ドイツ通信25「グラスを捨てる」


2009070201グラスを捨てる

 ゴミの問題というのは、いつの時代、どんな社会でも問題になるものなのかもしれません。中世ヨーロッパでは、ゴミは窓から“ポイッ”だったので、人々はヒールのある靴を履いていた・・そうですし。名のあるヨーロッパの都市でも“ゴミで汚い”などという話を聞くのは、こういう歴史を受け継いでいるからでしょうか。

 さて、ブレーメン。清潔な都市だといえるでしょう。ゴミが大量に発生するパレードなどの後は清掃車が通りますし、のみの市の出店者が片づけをした後にも、そのまま放置された(元)売り物やゴミ類を、車が回収して回ります。ゴミを出さないように、とか、ゴミを道端に捨てることを“善し”としない国民ではないようですが、処理をするシステムは整っているようです。

しかし、ちょっとした問題として新聞に取り上げられていたのが「ガラス類」の処理。ガラスの類は、可燃、不燃、資源、生ゴミ等が自宅前まで回収に来てくれるのに対し、ガラス専用のコンテナまで持っていって捨てる必要があります。色ビンと透明ビンさえ区別すれば、特に洗わないといけない訳でもないようですし、ビンの蓋がガラス以外の素材であってもそのまま投入可のようです。決められているのは、投入時間。月曜から土曜の午前7時から午後7時まで。というのも、近隣住民への騒音公害を懸念してのことです。投入したビンは、底にたたきつけられるので(割れているのかは不明ですが)結構大きな音がするからです。

 ブレーメンには、現在450のコンテナ設置箇所があります。そのうち90%は正常に機能していますが、残りの45箇所はひどい状態だということです。

どんなふうに酷いのか、というと・・。本来コンテナ内にしっかり投入すべきビンが、コンテナがいっぱいだから、という理由で自宅からビンを入れて持ってきたビニル袋のままコンテナ脇に放置されることがあるのということです。コンテナは週に6回はちゃんと空にされているにも拘わらず・・。果ては、グラス類だけではなく、家庭ゴミ、電化製品などが、無人収集コンテナであるのを良いことに、投棄されています。

 また、グラス回収コンテナがゴミ捨て場になってしまったり、酔っぱらいのトイレになってしまったり、ドラッグの売買所になったりという理由でコンテナの設置を取りやめた所もあります。それにより、6年ほど前までは560箇所あったコンテナが今では450に減少しています。設置が望まれる箇所はあれども、設置場所が確保できなかったたりと足踏み状態。全住民に対する設置数で見ると現状で十分だけれども、人口分布とコンテナ分布は均一ではないようです。

 しかし、コンテナの撤去と、数年前まで存在した古紙回収のコンテナの取り外しにより、ゴミの量は60%に減少したし、ビールビン等に予めデポジットを上乗せして販売し、収集に協力すればデポジットの返還を受けられるルールが設定されてから、コンテナに集められるビンの量も減っているそうです。

ただ、いくら対策を講じても規則を破る人は存在します。不法にゴミを投棄した人を過去に遡って探し出すことは不可能ですが、その人物を探しだし、過料を徴収することは実際に行われています。

 余談ですが、引っ越し等に伴う、不燃・大型ゴミの回収現場を目撃。なんでもかんでも道端に放置し、専門業者に回収を依頼する電話をかけるだけ、ということのようです。山のようにあったゴミがあっという間に片づけられてしまいました。このように、不燃・大型ゴミが周辺住民の迷惑も顧みず、放置されているのはかなりよく見る光景です。

 ゴミに対して寛容なのか厳しいのか、なんとも判断がつきかねる・・のが印象です。

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