あけましておめでとうございます


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新年に当たって。 

今年も年が明けた。又一つ、年を重ねるわけだが、年を取るに従って、せっかちになるのか、工事現場へ行くと、やたら早く、結果が見たいときがある。少人数でやっていると、なかなか、工事が進まない。あせっても、順番にやっていかないといけないのに、一足飛びに仕上げに進みたくなってくるのである。もどかしい気持ちを抑えつつ、こつこつやることになるのだが、なぜだろうと考えてみた。

たぶん、現場に足を踏み入れた瞬間、フラッシュバックのように完成した時の映像が浮かんでくるからだと思う。何十年も同じ仕事をしていると、結構繰り返しも多いし、改造工事や、修繕工事になると、こうするとこうなるというのが、予め解っているので、結果の見えることが特に多い。そんな時は、完成予想から、工事内容を逆回しして、取りかかると、段取りよく進む。

そういうのはどんな職種でもそうで、船を操る船頭がロープを岸につなぐとき、ほどくときのことを考えて逆にくくったりする。(というのを本に書いていたのは確か、幸田文だったと思う。)これをやらないと、いくら頭のいいお医者さんでも、病院で点滴の注射針を刺してから、止血栓が手の届かないところにあって、おもわず、血が飛び散ってしまうというような失敗を繰り返すことになってしまう。

そんなわけで、見えれば見えるほど、途中の過程が煩わしくなってくるのかもしれない。

しかしながら、ここ最近の世相は先の見えないことが多く、我々の仕事にしても、毎日の個々の仕事は良いのだが、いざ、一年先とか、10年先のこととなるといったいこの大工業というモノさえ存在しているのかどうかさえさっぱり解らない程、変化し続けている。昨日まで良かったことが次の日からアウトになる。そんなことの繰り返しであるからだ。例えば今年の10月からは、住宅の瑕疵保証制度が始まる。どんなモノかというと、工務店が急につぶれたときに、お客さんに迷惑がかからないように、前もって、委託金を国に納めて保証してもらう仕組みである。その委託金が総工費2000万までの住宅なら、2000万円を国に預けなければならない。というものだ。中小の工務店では対応できないので、代わりに保険会社に肩代わりしてもらうことになる。施主の方では、担保物件になるので、申請したら最後、変更はきかない上に、検査料やなにやで、30万円ぐらいの負担増になる。いったいいつの間にこんな法律が通ったのだろう。大工を辞める人もかなり出るだろう。

昨年はオリンピックの年で、記録を伸ばすため極限の所まで自分を鍛えるアスリートたちには、色々なことを教えられた。最初は出来ないと思っていることでも、何度も何度も同じ練習する内にいつか乗り越えて、出来るようになる。とにかく、繰り返すことかと。そうだ、この世に生物が生まれてから、ずっと、循環の輪の中で同じ営みが繰り返されてきた。同じようだが、一回目と二回目ではどこか違うのだろう。何万回何億回も地球が回る間に、生物はここまで進化してきたのである。悩んでもがいて、繰り返してきた結果が、現代である。

景気も悪く、法律も、大手ハウスメーカー有利に変えられ、我々木造建築業者は、滅ぶ寸前かもしれない。しかしこんなことは、長い歴史の中ではたびたびあったに違いない。進化するための試練と考え何とか乗り越えて前に進まねばならない。いずれにせよ、未来は今の延長線上にしかないのだから

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